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うつについて

清和病院は高知大学の関連病院、日本精神神経学会の専門医制度認定施設として、うつ病などの高度治療を高知大学とともに推進しています。うつ病の心理教育研究会の事務局として、患者さんとご家族向けに作製されたうつ病を知るためのビデオとテキストの販売・貸し出しもしていますので職員にお気軽に声をおかけください。


うつ病の原因と症状について

 

うつ病ってなんですか?

「地域に根ざした医療機関であることを」常に念頭に置き、患者様の心身の健康作りのお手伝いをさせていただいております。血圧測定や爪切りのなど、日常生活でご不便に感じていらっしゃることがございましたら、いつでもご相談ください。これからも患者様個々のニーズにあった看護を心掛けてまいります。

うつ病の症状をわかりやすく教えてください!

うつ病の症状で最もよく見られる症状は夜眠れないことです。寝つけないことは健康な方でも見られますが、うつ病では早朝(夜中)に目が覚めて再び寝ることが難しくなる場合が多いようです。もちろん眠れないだけではうつ病ではありません。うつ病で特徴的なのはやはり気分が落ち込むことです。気分の落ち込みがはっきりしない方の場合でも、やる気のなさを感じるようになります。なんとなく元気がない、楽しい気分になれないといったことからうつ病が始まります。健康な方の場合でもこのような症状が起こりますが、2週間を越えて症状が持続すればうつ病を疑う必要があります。うつ病は放っておくと次第に悪化したり、慢性化したりします。
また、抑うつ気分はあまりはっきりしないが、「体調がよくない」「体が痛む」などの身体症状が全面にでるうつ病があり、一般に仮面うつ病などと呼ばれています。仮面うつ病の患者さんはうつ病の診断を受けることが少なく、病院で多くの検査を受けていることが多いものです。「検査で異常がないので大丈夫」といわれて始めは安心しますが、調子はよくなりません。うつ病は早期発見と薬物療法による早期治療が重要です。次回はうつ病のお薬による治療について解説します。

うつ病の薬物療法について

 

今回は主にうつ病に対する薬物療法についてお話しますが、薬物療法のお話の前に、症状からうつ病を簡単に自分で調べる方法を前回の復習として挙げてみます。

うつ病についての簡単な自己診断

うつ病で起こりやすい症状を5つ挙げてみました。
 1. 気分が憂うつなことが2週間以上続いている。
 2. 何となくやる気が起こらない。
 3. からだの調子が悪いが検査を受けてもあまり異常がない。
 4. 趣味やテレビなどが楽しめなくなった。
 5. 物覚えが悪くなった気がする
これらの症状が続くようになるとうつ病の要注意です。うつ病は自然に治癒するのは難しく、放っておくと症状が慢性化したり、悪化したりします。

うつ病は薬で治りますか?

「うつ病は心の病気なのでお薬で治るはずがない」この考え方は間違っています。うつ病の治療で最も一般的なものは抗うつ薬による薬物療法です。適切な薬物療法を受けながら病気の時期にあわせた休息をとるのです。ただ休むだけではだめなのです。 セロトニンやノルアドレナリンなどの気分と関係したホルモンが何らかの原因で減少しているのがうつ病であることを前回お話しました。抗うつ薬はこれらのホルモンの働きを正常に戻す作用があります。イメージ的には8割ほどのうつ病の方が抗うつ薬で回復します。2割程度の薬物抵抗性のうつ病には電気けいれん療法を勧めることになりますが、この治療については次回お話します。

うつ病に対する薬物療法の正しい理解

うつ病は抗うつ薬と呼ばれるお薬で治療を行います。抗うつ薬は安全なお薬です。うつ病であれば抗うつ薬を使わずに治療を行うことはあまりありません。驚くべきことですが、うつ病の患者さんの多くが、抗うつ薬を医師から処方されていないといわれています。この問題の原因として、まず、うつ病の診断がなされていないということです。うつ病では身体的な不調が起こりやすいため、患者さんは体の病気だと思い込む場合があります。体の検査には通常異常がないことで「大丈夫ですよ」と説明を受けることになります。また、うつ病と診断されても患者さんが自分で薬をコントロールしたり、医師の処方する量が少なすぎたりするなどの問題で抗うつ薬の量が不十分な場合が多くあります。抗うつ薬は不十分な量では効果を発揮しません。

うつ病の薬物療法のつぼ

うつ病の治療で抗うつ薬をきちんと服用しなければならないことを説明しました。抗うつ薬の必要な一日量は個人個人かなり違っています。大切なことは例えばあるお薬が100mg必要な患者さんは50mgを飲み続けていても改善が十分には見込めないことです。この必要な薬の量はセラピューティックウインドウ(治療の窓)不十分な量の薬を不規則に続けることで症状が慢性化していくことがしばしば起こります。また、抗うつ薬の種類も何を服用するかがとても大切です。

お薬はいつまで飲んだらいいですか?

治療期間の質問は患者さんにとって深刻な問題です。初めてうつ病になり治療を受けた方に対しては完全に症状がとれた状態(医学では寛解と呼び、平均すると治療に入って3ヶ月間でそうなります)からさらに6ヶ月間再発防止のため薬物療法を継続します。一方、再発する傾向のある患者さんの場合は年単位の服用が必要になります。うつ病も慢性疾患ですので、糖尿病や高血圧と同じように再発の多い病気の一つです。抗うつ薬は再発予防効果がはっきりと証明されています。医師の指示通り正しく服用してください。さらに詳しくお話すると抗うつ薬は維持量そのものも重要です。いくら再発防止のために服用していても服薬量が少なすぎると3倍程度再発する危険性が上がります。
きちんとした管理を行うことでうつ病になっても、可能な限りのうつ病に影響されないごく普通の生活が送れます。

電気けいれん療法について

 

第一回ではうつ病の原因と症状について、第二回ではうつ病の薬物療法についてお話しました。今回は清和病院の広報誌で紹介するにふさわしい電気けいれん療法のお話です。うつ病には抗うつ薬以外で電気を用いた治療を行う場合があります。「電気でけいれんする」と聞くと恐ろしく感じますが、電気けいれん療法は安全な治療であり、かつ有効性も極めて高いものです。うつ病の治療の中で、有効性としてはもっとも高い治療であるといえます。最近では短時間の全身麻酔をかけて全身けいれんをおこさない治療が行われています。使用する機器も安全性の高いもの(パルス波治療器)に変わってきています。清和病院はいち早くこの新しい機器を導入し、中四国地方では最も多く治療を行ってきた施設のひとつです。

電気けいれん療法は具体的にはどんな療法ですか?

電気による脳波上のけいれんをおこすことでうつ病をよくする方法です。通常は薬物療法でうまくいかない場合に実施されます。治療そのものにかかる時間は1回あたり30分くらいです。通常は入院をして、1週間に2回で合計6回行います。人によってはさらに治療を追加します。薬で治らなかったうつ病の方の7割以上の方がこの方法で症状が改善します。副作用は一時的な物忘れが起こることがあります。その他は、主に麻酔をかけることによる副作用です。
また、清和病院では日帰りを希望する方でもこの電気けいれん療法を実施しています。

電気けいれん療法は誰でも出来ますか?

ほとんどの方に安全に行えます。お薬で副作用がでるため、きちんとした治療が出来ない方にも多くの場合、安全な治療となります。てんかんがある方や脳に腫瘍のある方、あるいは脳出血を起こしたばかりの方などには施行できません。このため、すべての方に頭のCTや脳波の検査を治療前におこなっています。高齢であっても実施可能です。

偏見をなくそう

精神疾患にかかる方は非常に多い反面、多くの方は治療を受けていないことをお話しました。骨折などのように症状がはっきりしないことで病気として本人に認識されない。また、治療を行っていても骨折のようにギブスをはめているわけではないので周囲には分かりにくい。以上のようなことから健康な方が精神疾患についてほとんど正しい知識をもたないことになります。知らないことに対しては恐ろしく思うので誤解が多くなっています。精神疾患は身近な病気であることを知っていただき、偏見をなくしていきましょう。

プロフィール

下寺信次
清和病院・非常勤医師
高知大学医学部 神経精神科学教室講師・准教授
[主な社会的役割について]
高知県精神科医会理事、World Federation for Mental Health(世界精神保健連盟)
日本事務局長、最高裁判所指定による高知地方裁判所委員、高知県教育委員会委員、
日本不安抑うつ研究会世話人、高知県うつ病研究会世話人、日本社会精神学会理事、
うつ病の心理教育研究会代表、その他多数

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